古今亭菊丸「ちりとてちん」
インプレスTV「社団法人 インターネット落語会 六月上席」に収録。
ベテラン真打・古今亭菊丸師匠の一席。「ちりとてちん」というタイトルはテレビドラマでも御馴染みとなりました。江戸落語、上方落語にもある噺で、サゲも何種類かあるようです。菊丸師匠の「ちりとてちん」は表情豊かです。オーバーアクション気味に観客を惹きつけるという意味では、上方落語っぽい感じがしました。
お世辞が上手なお向かいの「金さん」とぶっきらぼうで知ったかぶりをする裏の「六さん」が対比で描かれています。お世辞ばかりの人は、はたから見ていると「なんだ、こびを売ってる」とあまり良い印象ではありませんが、そういう人ほど地位の高い人に可愛がられる傾向があります。これは今も昔も同じでしょうか。
やはり、金さんを好印象に、六さんを悪印象に演じ分けるのがポイントのように思います。演技力が重要な題目のような気がします。表情や目つき、話し方まではっきりとコントラストがついています。「いたずら」「意地悪」を題材にしているのに、変に暗い雰囲気はありません。むしろ、「許されるレベルのいたずら」ということで、ほのぼのとしています。
さまざまな噺家さんがいますが、菊丸師匠は髪を七三に分けて、そのままサラリーマンをしていても不思議ではない感じの方です。「元気の良さ」「威勢の良さ」を売りにするというよりは、「上品さ」「粋」を売りにしている感じ。キャラクターに合ったスタイルで、熱演なのに、変なところに力みがない。聴いた後の爽快感もあります。おすすめの動画だと思います。